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訪れたから、感じられた


「愛を感じるね」

口をついて出た言葉。

みんなも同じことを思っていたようです。


松山にある伊丹十三記念館。

随所に、建築家中村好文さんの愛を感じる場所でした。


中村さんは、伊丹十三さんの熱烈なファンだったそう。

記念館をつくるにあたり、

設計だけでなく、キュレーターとしても関わられたようです。


まずは、入口をはいって目に入る中庭。

すでに…なんでしょう?この居心地の良さ。

つい、その答えが欲しくなります。


そこに植えられた、桂というシンボルツリーが、

2本寄り添う双樹であること、スタッフの女性が説明してくれました。

伊丹十三さんと妻の宮本信子さん。

おふたりの姿をイメージして中村さんが探しあて…

宮本さんがとっても喜ばれた、と。

お話を聞くだけで、愛につつまれた気持ちになります。


訪れた日は、曇り空。

紅葉し、落葉する姿になんとも言えない趣がありました。

足元のグリーンは、もしかしたらタンポポ?

そういえば、ガラスに貼られた印も…そうか、タンポポです。納得。

代表作品のひとつですよね。



館内は、十三さんの名前にちなんだ、13の常設展示と企画展示。

そのどれもを、じっくりと見たく、読みたくなる。

伊丹十三さんの魅力が、存分に伝わってくるその仕掛けに、

すっかり魅了されました。


限られた時間の中、駆け足で一周したあと…

この感覚を、ひとことで表したい欲が。

居心地の良さの答えも欲しいぃ。

…記念館というか、なんというか、

そう!予習してきた本に載っていた、宮本さんから中村さんへのリクエスト。

「伊丹さんの家みたいにして」という、まさにその感じ。

おうちに招かれたようなここちの良さ。

じんわり身体中で感じていました。


込められた想いって、

どこからかにじみ出て、ほんとに伝わってくるんですね。

造形を通して?空気を介して?

カタチあるものになのか、見えないモノになのか…


その感覚をもう一度味わうためにまた訪れたい、そんな場所です。



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