94年の時を経て
この秋、デイサービス施設へと生まれ変わった戦前の住まい。
お引渡し後ほどなく、施設内覧会が行われました。
『この三角がいいって、皆さん、おっしゃられるんです』
三角という言葉に、ほんの一瞬・・・「???」
その後すぐ「あー。あーあーあー。」と私の頭に、
懐かしい景色が引っ張り出されました。
おばあちゃんちの、ななめの、急な階段。
そうそう!三角!
「僕の祖母の家もそうです」と、隣から、素早きリアクション。
20代スタッフにも思い浮かぶ画があったようで・・・
このキーワードに、同時に響く感じ。
なんだか嬉しいものです。
↓話題に挙がった三角。『斜めの木』にご注目ください👀
『古民家を活用し、この場所から幸せを発信していきたい』
そんな想いを胸に、住宅街の古民家&ガーデン出店者募集に手を挙げて下さった事業者さま。
完成早々、訪れる方々に古民家を体感、喜んでもらえているようです!
ちなみに・・・建物には、しかるべき耐震補強を施しました。
現在、一般的に行われている耐震診断とは異なる計算方式。
揺れを柔かく受け流すような工法を用い、
新たに ‛仕口ダンパー’ という金物を加えています。
2階は区切らすに、広々と利用。
〇を入れた箇所に、仕口ダンパーが入っています↓
工事前は、水平の天井材が張られていました。
身に覚えのある方もいらっしゃると思いますが、
すらりと背が高いと、ちょっと頭を下げないといけない低めの天井。
子供の時、その低さと暗い感じが怖かったことを覚えています。
今回のリノベーションでは、天井材を外しました。
ひとつずつ表情の違う、曲がった大きな梁。
吹抜空間の向こうに拡がる、美しい木組み。
天井材がなくなったことで、現れ出た90年超の構造体が、
この建物の良さを引き立てているのは間違いありません。
訪れる機会があれば・・・
ぜひ味わっていただきたい古民家の趣きあふれる風景です。
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