『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』
まさにタイトル通りに暮らすミニマリストさんの本。
友人にお勧めしてもらいました。
片づけ本は、数あれど…
思いもよらない内容に、読んだ途端、友人に読書感想文を送ってしまいました。
・共感デフォルト
・親切デフォルト
・飽きに対抗できるのは感謝
深く心に響いたのは、これらの言葉。
こう並べると、片づけのマニュアル…ではないですね。
作者である「ぼく」は、モノを溜め込み、モノに囲まれていた。
たくさんモノを持つ人をうらやみ、自分と比べてばかり。
モノが、自分の価値、ひいては幸せにつながると考えていた。
そんな彼がモノを捨て、
持っているから…持っていないから…という認識から離れられた。
人との関係が変わったというのです。
それってどういうこと?
どうやら、人には人に共感し、親切にすることで
幸せを感じるアプリがインストールされているらしく!
モノがなくても幸せを感じられる仕組みが、
しっかり整っているというのです。
例えば、人のために何かをして、その人が嬉しそうな笑顔になる。
それを見ると、苦労して何かしてあげた人まで嬉しくなってしまう。
そんな「感情移入」する神経細胞の働きが、
科学的な分野で解明されてきている模様。
また、電車の席をゆずったり、落とし物をした人に声を掛けたり…
小さな親切をした後の、ほっこりとした気持ち。
これも、幸せを感じる物質が分泌されているからだといいます。
人間のしくみ。素晴らしい!
性格でもなく機嫌でもなく。
そもそも備わっていると聞くと、こんなに喜ばしいことはないですよね。
私もあなたも、見知らぬ誰かも、持っている。
ただ…人には、悲しいかな、
慣れて→飽きるという仕組みもあるようです。
欲しくて手に入れたモノでも、時間が経つと次第に慣れ、
当たり前のものになり、やがて飽きてしまう。
これも生まれつきインストールされているらしく、あらがえない。
人間て…。
このしくみ通りになると、
人は慣れて、飽きて、さらなる喜びや刺激を求めてしまう。
新しいモノが欲しくなり、その欲望は尽きない。
向上心という名の次なる原動力なら、それもアリかもしれないけど、
モノに限っていえば、なんだか踊らされているみたい。
思い当たるふしもあるから、やるせなく感じます。
人間て、見えない何かに制御されていたんですね。
ただ!これに、対抗できる策がなくはないのです。
今持っているモノをありがたいと思いなおす「感謝」という気持ち。
当たり前でないと思えれば、
モノが少なくても充分に満足できるといいます。
確かに。
まわりを見渡して…満たされていることは十分にあります。
ゆっくり眠れるのも、美味しくご飯を食べられるのも、
気持ちよく髪を乾かせるのも、あれもこれも。
漠然と感じていたことを言い切ってもらえた。
明文化して、大事なことをちゃんと教えてもらいました。
ありがとう!ミニマリストさん。
最後にひとつ。
ミニマリストといえば、
とにかくモノを減らし、最小限で暮らす人をイメージしていましたが
「ぼく」は、『自分が本当に必要なモノがわかっている人』だと捉えているそう。
たくさんのモノに囲まれていたとしても、
モノを持つことで毎日の活力を感じられているなら、減らす必要はない、と。
ちょっと深くて、寛容さも感じるミニマリスト像。
自分の思い込みに、目からうろこです。
解釈はそれぞれでいいんですね。
読書感想文を送った友人からの返信。
「親切がデフォルト。なんだか嬉しいなぁ。もう親切しまくろう笑」
大いに同意。
片づけ以上のことが出来そう。幸せも感じられそう。
ありがとう。勧めてくれて。
*具体的な片づけマニュアルも、計70案、載っています。
ご興味のある方はぜひ。
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